パークカフェ 開店(6)

次は、千円札が宙を舞って、ヒラヒラとお客さんの顔の前を飛んでいくという手品です。この演目のために長袖のジャケットを羽織っております。ほんとうは千円札ではなく1万円札でしたいところですが、もし1万円札を失くしてはという生まれながらの貧乏根性が、園長のさもしさを物語っています。
さて、どこにでもある千円札。見開きでお客さんに見てもらいます。ただ、スプーンやロープとちがって、お客さんに千円札をさわってもらうことは、親が死んでもさせてはなりません。
「それではこれより、持っている手を離します。」と言って、おそるおそる指を離してゆきます。両の手の指がすべて離されましたが。千円札は宙に浮いたままです。「ギョツ」と目を剥くお客さんたち。してやったりです。この浮いた状態でお客さんたちの、眼前をヒラヒラと飛ばしていきます。一回りもしないうちにタネを見つけたお客さんから、笑い声が漏れます。そしてみんなにタネがばれ、軽い驚きが失笑に変わっていきます。
「はじめから、わかっていたわ」「お札の真ん中が、透けて見えてたわ」など勝ち誇ってます。その証拠に鼻の穴がおおきく開いています。タネあかしはこうです。お札の真ん中に、割りばしの太いほうの先をテープでくっつけ、割りばしの細い方を
輪ゴムで手首にはさみこんでおきます。これを長袖の袖口に隠しておいて、さも宙に浮いた感じに見せるものです。
この演目の弱点は、横や後ろから見られるとチョンばれになるところです。園長の右手首に割りばしの端が映っているのはご愛嬌です。
この演目も、短い驚きのあと蔑んだ笑いで終わりました。下唇をかむ園長です。
この次は、ハンカチの中から鳩が勢いよく飛び出すというもので、この手品のコーナーは閉めたいと思います。